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2007年12月

2007年12月30日 (日)

2007年ベスト 本<番外編>

ベストの方に入れるほどのものではないが、気軽な気分で楽しく読める本をご紹介。
こういう本が世間で取り上げられる機会があまりないのはもったいないと思う。

・「「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート」コリン・ジョイス
著者は「ニューズウィーク日本版」でコラムを連載している。
真面目な顔をしてとんでもない冗談を言うイギリス風のユーモア・センスが私の好みである。
とくに、「イギリス人をからかおう」の章は、爆笑である。

「どうして日本では、こんなに多くの人がマスクをしているんだい?」とぼくの友人のトレヴァーが尋ねてくる。「ああ、あれはお医者さんと看護婦さんたちだよ。日本では病院を出てからも家に着くまでマスクを着けてなければならないんだ」と答えるぼく。
「なんでプラットホームに賑やかな音楽がくり返し流されてるんだ?」とトレヴァー。「利用客を元気づけるためだよ。電車に飛び込みでもされたら、かなわないからね」と、誰かがぼくに代わって答えてくれる。
「社内アナウンスが、どうしてこんなに長いんだ?いったい何を言ってるの?」「乗客のためにニュースを読んでいるんだよ。込んでいて新聞を広げられないことが多いからね」

・「その言葉、異議あり!」マイク・モラスキー
著者は「戦後日本のジャズ文化 - 映画・文学・アングラ」で2006年度サントリー賞を受賞している。
いかめしいタイトルだが、内容のほうは、肩のこらない雑多なエッセイである。
私が好きなのは、家電品の取扱説明書をホラー映画として読む、という箇所と、「飲食店で聞いてむかむかすることば」の箇所。

 「こんにちは!」
 「いらっしゃいませ」はどうしたんだよ!
 日本のスタバ(Starbuks)などでは、日本語らしい「いらっしゃいませ」の代わりに「こんにちは!」が挨拶マニュアルになっているようである。アメリカ人が言うのも変だが、これは「バタ臭く」聞こえて、気に障る。

一方、和製英語について、英語圏の人間にとって面白いと思えるものもいくつか挙げている。
髪の毛の状態を表す「バーコード」という言葉については、

欧米の友人たちに教えると、みんな最初は何のことか分からないが、説明すれば、すぐにそのイメージを思い描いて、たいていの人は大喜びする。また、「なぜ、我々英語圏人はそのような表現を思い浮かばなかったのだろうか」、と逆に聞いてくる人もいる。

・「似顔絵捜査官の事件簿」坂本啓一

絵の素養などなかった警察官の著者が、「捜査用似顔絵講習会」に参加させられたのをきっかけに、似顔絵捜査の第一人者となる。
似顔絵なんか使うよりモンタージュを使ったほうがいいじゃないか、と思われるだろうが、モンタージュだと、様々な顔のパーツを見せられるうちに「印象の崩壊」が起きてしまうのだそうである。一方、似顔絵の場合、印象がとくに強い部分から作画していくと、次から次へと意識が明確になる「記憶の後進」が起きるそうである。

今年の更新は、これでおしまい。

「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート (生活人新書) Book 「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

著者:コリン ジョイス
販売元:日本放送出版協会
Amazon.co.jpで詳細を確認する

その言葉、異議あり!―笑える日米文化批評集 (中公新書ラクレ 260) Book その言葉、異議あり!―笑える日米文化批評集 (中公新書ラクレ 260)

著者:マイク・モラスキー
販売元:中央公論新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

似顔絵捜査官の事件簿 (中経の文庫 さ 6-1) Book 似顔絵捜査官の事件簿 (中経の文庫 さ 6-1)

著者:坂本 啓一
販売元:中経出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2007年12月29日 (土)

2007年 ハズレ本

私は、本屋でペラペラ立ち読みすれば、面白い本かどうかは見当がつけられるので、ほとんどハズレを掴むことはないのだが(はじめから批判するつもりで読む場合は別である)、何かのはずみで、よく確かめずに買って失敗することがたまにある。以下は、その数少ない失敗例である。個々の内容については、後で別項を立てて書こうと思う。

・「中世の秋の画家たち」 堀越孝一
・「IQってホントは何だ?」 村上宣寛
・「確率と統計のパラドックス」 スティーヴン・セン

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2007年ベスト 本

勢いに乗って、本の2007年ベストも。新刊に限定。

・「美術の物語」E・H・ゴンブリッチ
・「日本文化における時間と空間」加藤周一
・「シマウマの縞 蝶の模様」 ショーン・B・キャロル
・「古典再入門」小松英雄
・「神は妄想である」リチャ-ド・ドーキンス
・「ぼくには数字が風景に見える」ダニエル・タメット
・「哲学の歴史」中央公論社

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2007年ベスト アルバム&ライブ

私も「2007年ベスト」的なものをやってみようかと。

アルバム
  聴いた順です。

・I AM ROBOT AND PROUD 「THE ELECTRICITY IN YOUR HOUSE WANT TO SING」
・PRINCE 「PLANET EARTH」
・V/A [細野晴臣トリビュート」
・V/A 「PENGUIN CAFE ORCHESTRA TRIBUTE」
・□□□ 「GOLDEN LOVE」
・トクマルシューゴ 「EXIT」
・STEVE JANSEN 「SLOPE」
・カエタノ・ヴェローゾ 「セー・ライヴ」
・KAZUMASA HASHIMOTO 「EUPHORIAM」

ライブ
 そんなにたくさん行ってないし、ハズレもなかったので、行ったライブ全部上げているようなものですが。

・5/5 ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン at 東京国際フォーラムホール
 公演番号446
 【バルトーク : 2台のピアノと打楽器のためのソナタ Sz. 110】
 【ストラヴィンスキー : バレエ音楽「結婚」】
   クラシックのコンサートは初めてだったが、楽しかった。
・7/29 細野晴臣と地球の仲間たち 日比谷野音
     印象的だったのは、ビューティフルハミングバードの小池光子の歌声とSKETCH SHOW + コーネリアスの「TURN TURN」、WORLD SHYNESSの演奏。
・9/23 SENSE OF WONDER at 山中湖
  GUTEVOLKとmiroqueが目当てで行ったのだが、ベストはooioo。UAも良かった。
・11/4 GUTEVOLK at 武蔵大学
      生西康典の映像・演出と寺本綾乃の踊りも含めて、全体が素晴らしかった。
・10/30  DAVID SYLVIAN at オーチャード・ホール
      内容がよかっただけに、時間短縮が惜しまれる。「BRILLIIANT TREES」「BEFORE THE BULLFIGHT」、聴きたかった。
・12/9  トクマルシューゴ,キセル at 代官山UNIT
・12/21  □□□,HALCALI at 渋谷QUATRO

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年末・年始のプログラム

年末・年始のテレビ・ラジオのチェック予定。

12/31 25:30~ inter FM「DAISY HOLIDAY」ゲスト 坂本龍一、高橋幸宏
1/1    22:00~ NHK FM「小山田圭吾の中目黒ラジオ」
      23:00~ NHK FM「坂本龍一ニューイヤー・スペシャル」
1/3  9:00~ テレビ東京「“ムンク”を奪還せよ!“叫び”回収までの84日 囮捜査官チャーリー・ヒルの挑戦!」
1/3   23:00~ NHK FM「ダブルDJショー」 筒美 京平 小西 康陽
1/6   24:00~  J-WAVE 『RADIO SAKAMOTO』ゲスト 細野晴臣、高橋幸宏

年末・年始のテレビのつまらなさはいつものことだが、今年はいつにもましてつまらなそうだな。
ラジオにすら負けている。

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2007年12月23日 (日)

今日買った本

・「越境する巨人 ベルタランフィ」M・デーヴィッドソン
 これは、福岡伸一批判の元ネタ用。
・「数学者の無神論」J・A・パウロス
 ざっと眺めた感じでは、ドーキンスの「神は妄想である」の第3章あたりと同じ方向みたい。まあ、理性的に考えればそうならざるを得ないと思うが。
・「エニグマ・コード」ヒュー・S=モンテフィオーリ
 エニグマ暗号解読のノンフィクション。結構分厚くて、読みでがありそうで楽しみ。
・「QJ」のバックナンバー
 HALCALI特集が目当て。

すでに未読本が山積みになっているので、いつになったら手をつけられることか。

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「世界が認めた日本のロックバンド」BOOM BOOM SATELLITES

久しぶりに夜遅くまで起きていたら、テレビでBOOM BOOM SATELLITESの特番が始まった。「きいてないよ!」と思って手元のテレビ雑誌をめくってみたら、「世界が認めた日本のロックバンド」という番組名だけで、BOOM BOOM SATELLITESの名前はどこにも出ていない。分かりにくいよ!
内容の方はというと、前半はインタビューとバンドのミニ・ヒストリー的なもの。後半は06年のCOASTでのライブDVDから何曲か、と言う感じでした。最終的に「EXPOSED」に入れられなかった未発表曲もチラッとかかって、ちょっと得した気分。

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「COSMOS」カール・セーガン

某動画サイトで、カール・セーガンの「COSMOS」の映像を発見。1回分だけだが。
アメリカでは、DVDセットも出ているが、Region 1だもんなあ。
日本でも出してくれれば、喜んでお金を出して買うのだが。どこか出してくれるメーカーはないですかね。
「COSMOS」といえば、以前、吉本隆明が、あんなものは宗教だ、みたいな感じでけなしていて、ムカつきまくったことを思い出した。

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福岡伸一「生物と無生物のあいだ」批判 <予告編>

福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」の批判を書こうと思っている。
本当は、しかるべき人物がしかるべき批判を書いてくれるのを待っていたのだが、サントリー学芸賞を受賞したり、爆笑問題のテレビ番組に出演したり、マスコミに出てくるのは絶賛の声ばかりで、まとまった批判が出てくる様子が一向にないので、全く「しかるべき人物」ではない私が書くことにした。
amazonのレビューなんかでは、「タイトルと内容が一致していない」とか「生物学の知識がある人間から見ると、何も目新しいことが書いていない」というような批判があって、全くその通りだと思うのだが、もっと突っ込んだ批判がほしいのである。
批判の骨子は出来あがっているのだが、裏をとるために色々調べものをしなければならず(ベルタランフィまで読み返すことになった)、予想外に時間がかかっている。
とりあえず、批判のポイントをあげておくと、以下の通り。

・「動的平衡」って、結局「非平衡」ってことじゃないの?
・それってプリコジンなんかが言ってることと同じだよね。
・そもそも「動的平衡」っていう言葉はベルタランフィが先に使ってるんですけど。
・シェーンハイマーのこと、大げさに扱い過ぎじゃない?
・個別の実験結果から一般的な結論に飛躍しすぎ。
・なんで今更「機械論」批判? しかもピント外れ。
・こんな本が絶賛されてしまうって、日本の科学ジャーナリズムって大丈夫?
・(オマケ)福岡の文章って趣味良くないよね。

分かる人なら、これだけでも私の言いたいことが分かると思う。
遅くとも1月中には公開したいと思っているのだが、別に誰からも期待されていないから、いつ書いたって構わないわけですけどね。

ついでに書くと、茂木健一郎批判もそのうち書くつもり。モギケンの方は、つっこみどころが多すぎて、かえって書きにくいという感じ。

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ミュージック・マガジン 1月号

「めかくしプレイ」のコーナーのゲストがトクマルシューゴというのにつられて購入。
リスナーとしてのルーツは?との質問に「普通のものを広く浅く。やはりビートルズとビーチ・ボーイズが基本で、あとザ・フーやキンクスなどブリティッシュ系が特に好きでしたね」
あなたのヴォーカルは大瀧詠一×七尾旅人風に感じられるというフリに対して「ええ、実際、大瀧さんの歌には影響されたと思います。はっぴいえんどだけじゃなく、ソロ作品も愛聴してました。」とのこと。
「EXIT」をはじめて聴いたときに、初期にニルソンのサウンドに大瀧詠一のヴォーカル、という感じがしたのだが、結構正しかったのかも。
つげ義春の漫画にふれて、「音楽でも漫画でも、やっぱ基本的にダメダメな奴が好きなんですよ、僕は。」ウーン、判り易すぎる。

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『少年倶楽部』から『りぼん』まで ふろくのミリョク☆展 弥生美術館

「戦前から戦後までの少年・少女雑誌のふろく」というテーマのためか、いつもよりもお客さんの会話が多くて賑やかな雰囲気。
1階は少年雑誌編ということで、大正から昭和40年代くらいのものが展示されていたのだが、一番興味深かったのは、昭和5~10年頃のもの。教育勅語や昭和天皇・皇后の「御尊影」が少年雑誌のふろくだったのには驚き。圧巻だったのは、全長6~70センチくらいの戦艦三笠の紙製組み立て模型。糊を使わず全てはめ込み式なのだが、リアリズムに徹していて完成度が高い。こんなものがふろくについてきたら男の子だったら夢中になるに決まっている。ガスマスクの紙模型までふろくになっていたのには時代を感じる。
年配のお客さんが多く、親子(7~80才くらいと4~50才くらい)らしきペアもチラホラ。そのうち、展示を観ているよりもお客さんの会話を聞いているほうが面白くなってきてフロア内をブラブラ歩き回る。
2階は少女雑誌編で、こちらの方は時代を降って昭和4~50年頃のものが中心。「これ持ってた!」「これも持ってた!」とはしゃぐ「"元"少女」たち。
会期は月曜日まで。

http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/

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2007年12月22日 (土)

□□□、HALCALI、etc.

□□□とHALCALIが目当てで、CLUB QUATROへ。
まずは、HALCALIが登場。「サイボーグ俺達」で開幕。
実はHALCARIを聴き始めたのは一月前からなので、知らない曲も多くて曲名は全部あげられないが、「ストロベリーチップス」はやっぱり泣けるなあ。最後は「春狩道~19の夜~」。1時間弱のセット。
「GOLDEN LOVE」をバックに□□□が登場。演奏を始めたのは「朝の光」。オオッ、この曲から来るとは。続けて「真夏のラストチューン」「GOLDEN KING」とキラー・チューン連発。
HALCARIが再登場して一緒にやったのは、もちろん「COSMIC DANCE」。元気な二人が退場するのを見送りながら、三浦君が一言「若いなあ」。
「STARLIGHT」の後は、最後の曲「GOLDEN WEEK」。
充実感に満たされながら、ホフディランは観ずに(ゴメン)QUATROを出て、タワレコに寄り道。
グーテフォルクの名盤「グーテフォルクと流星群」のプロデューサーkazumasa hashimotoの新作を発見。グーテフォルクも1曲参加とくれば、買わないわけにはいかない。その他、アトム・ハートのエルビー名義のアルバム「ポップ・アーティフィシエル」(坂本龍一の「Thatness and Thereness」をカバー!)とcaetano velosoの「セー」のライブDVDを購入。中身はまだ聴いてません。

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2007年12月18日 (火)

「増補 絵画史料で歴史を読む」黒田日出男著 ちくま学芸文庫

文献だけではなく、絵巻や肖像画,地図等の絵画も重要な史料として過去の歴史を探ってみようと主張する本。
とても興味深い試みだと思うのだが、いまひとつ物足りない。
いくつかの絵画史料を例に、絵画を読み取る方法が語られるのだが、つっこんだ議論を省略して、いきなり結論が出されてしまう箇所が何箇所かある。初心者向けということで、記述を簡略化したのだと思うのだが、こういうものは、具体的な細部にこそ面白さがあるのではないだろうか。
方法論に関しても、「他の史料や、他分野のさまざまな研究成果を参照する」とか「その絵がどのような目的で描かれたかを意識して読み解く」という程度では、あまり面白みが感じられなかった。
源頼朝の肖像と伝えられてきた絵が、実は別人だったという説を論証するくだりは説得力があって面白かったのだが。

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2007年12月13日 (木)

細野晴臣と坂本龍一

続けてYMOネタ。

1/23にリリースされる、細野晴臣トリビュート第2弾「細野晴臣 STRANGE SONG BOOK -Tribute to Haruomi Hosono 2-」の収録予定曲に、「ノルマンディア」坂本龍一+Fennez が入っているのを見て驚愕した。この曲にはちょっとした因縁話があるのだ。
この曲は、日本生命のCM曲として発表されたのだが、テレビの画面には作者のクレジットはなかった。日本生命は、このCMの前に坂本龍一を音楽および出演者としており、このCMでも引き続き坂本龍一が音楽を担当したものと思われた。そもそも、この曲のメロディーは坂本がYMOのアルバム「SERVICE」で書いた「PERSPECTIVE」という曲のイントロにそっくりで、「コーン」というリバーブのきいたパーカッションの音も坂本風だったのだ。私は、これが坂本の曲であることを疑わなかった。
この曲が、坂本のものではないことを知ったのは、当時坂本が担当していたFMのラジオ番組を聴いていたときだった。坂本が、ぼくの曲にそっくりなCM音楽がある、と言ってこのCMを挙げたのだ。当然私は少し驚いたのだが、落ち着いて考えてみれば、大して驚くことでもなかったのである。当時は坂本龍一風のCM音楽が結構あったのだ。本当の驚きは、この後に来た。このCMを見て気になった坂本は、誰が音楽をやっているのか調べて突き止めた。「誰だったと思います?ホソノさんだったんですよ」
言われてみれば、確かに細野さんのニオイが感じられる曲なのだった。その後、細野さんは、「戦メリ」みたいな感じで、という注文で書いた、とアッサリ告白。「COINCIDENTAL MUSIC」のライナーノート曰く「あとになってこの曲は坂本龍一の影響が強くはないだろうか、などという有難いファンの忠告に悩ませることになろうとは夢にも思わなかった程の自信作」。

と言うわけで、今回は、その「ノルマンディア」が収録されている、細野さんのモナド・レーベル時代の隠れ名盤「COINCIDENTAL MUSIC」を紹介する。このアルバムは、「'82~'85までの細野晴臣のCM曲集」と銘打たれている。コンピュータを前に火事場の底力を出すように即興的に曲を作ったという。この頃のホソノさんはちょっと神がかっているような気がする(音楽的にも思想的にも)。名曲「銀河鉄道の夜 エンドテーマ」のピアノ・ヴァージョンや、後にHISで「日本の人」として再演される「中国の人」も収録されている。本アルバムは現在では単体での入手は難しいかもしれない。モナド・レーベルからリリースされたアンビエント色の強い他の2作と一緒にまとめられた「MONADO BOX」の方が入手は容易だろう。

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2007年12月12日 (水)

YMO in おもいっきりイイ!!テレビ

今日たまたま見た「おもいっきりイイ!!テレビ」で、YMOが取り上げられていた。YMO散開から24年なのだという(散開ツアーの最終公演は12/22だったのだが)。よほど他にネタがなかったのか、スタッフにファンがいるのか。めったに見ることのないこの番組で、たまたま見たらYMOが取り上げられているというのは、これぞ高橋幸宏のいうところのCOINCIDENCE」というやつか。
ファンの間では有名な、YMO結成時の「コタツを囲んで「世界で400万枚!」」の場面がVTRで再現されて爆笑モノだったので、誰か録画した人が(あまりいないと思うが)you tubeにでもアップしてほしい。ユキヒロ役の俳優が、口ひげとあごの感じがソックリだったのもウケた。
コメントVTRで槇原敬之が出演するのは意外ではないが、渡辺香津美と立川直樹が出てきたのには驚いた。一体誰に向けて番組作ってんだ、と思ったのだが、考えてみたら、あの頃ファンだった女の子たちが今主婦になって「おもいっきりイイ!!テレビ」を見ていても別におかしくはないなと思った。
しかし、「カッコイイネー、ヤッテクレルネー、ハァー、天才の集まりだね、これは」とかみのもんたに言われるとビミョーにむかつくな。

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「幻の特装本」ジョン・ダニング

amazonのレビューに書いたものを流用。

前作同様、読みやすく、読者の興味を引き続けるテクニックが巧みで、最後まで面白く読むことができたが、ミステリとしては、前作と比べて大分落ちると言わざるを得ない。
一番問題なのは、真相に意外性が不足していること。犯人の本当の動機に見当がつけば、自ずと犯人が絞り込まれてしまうのだ。
前作では、犯人が判明した後も謎が残されており、最後の一行で鮮やかに謎が解き明かされるのだが、今回の作品では動機と犯人が分かってしまえば、読者の興味を引き付けるような謎はなくなってしまうのだ。
他にも問題がある。物語の前半で中心となっていた登場人物が、後半になると急速に存在感を失ってしまうのだ。前半でのヒロインである少女は、物語の中盤で悪役に誘拐されてしまうのだが、主人公は、そちらの捜査は警察に任せて、自分は幻の本の捜査のほうに専念してしまう。主人公の立場に立ってみれば合理的な態度ではあるのだが、読者としては、あまりにはあっさりしすぎだと感じざるを得ない。
結局、その少女は、終盤でチラッと姿を現しただけで消えてしまうのである。読後に余韻を持たせることを狙ったのかもしれないが、あまり効果をあげているとは思えない。
また、凶暴な悪役として前半で登場する男も、中盤で主人公に叩きのめされた後は、まったく姿を現さないで終わってしまう。
登場人物が落ち着くべきところに落ち着かないで終わってしまったという感じがする。

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「死の蔵書」ジョン・ダニング

amazonのレビューに書いたものを流用。

文章がとても読みやすく、情報を小出しにすることによって読者の興味を引き続けるテクニックが巧みで、最後まで面白く読むことができた。
犯人が判明した後も謎が残され、最後の一行で鮮やかにその謎が解き明かされるのもしゃれている。トリック自体は目新しいものではないのだが、とても効果的に使われていると思う。
古本にまつわる薀蓄も楽しく、全体としては十分満足できる作品なのだが、不満がないわけでもない。
メインストーリーの古本に絡んだ殺人事件と並行して、主人公の宿敵である犯罪者との対決と、その男に精神的に隷属させれてしまった女の救済というサブストーリーが語られるのだが、サブストーリーの方は、主人公のパーソナリティーを説明するのと、主人公が警察を辞めて古本屋になるきっかけを与える役目を果たすだけで、メインストーリーとは最後まで交わらないで終わってしまう。どこかでメインストーリーとサブストーリーが何らかの形で交わると思い込んで読んでいたので、少し拍子抜けしてしまった。

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2007年12月10日 (月)

トクマルシューゴ 昨日の続き

予想した通りなのだが、「トクマルシューゴ」で検索して来られた方が何人かいらっしゃるようで。
昨日は、MCについて少しからかい気味に書いてしまったのだが、別に悪意はないので、そこのところ誤解のないようにお願いします。本当は、昨日書いたようなもの以外に、「音楽をやっていて本当によかった」とか真面目なこともMCでしゃべっていたのだが、その辺は省略してしまって申し訳なかった。
他の人のブログを検索してみたら、あのMCは意外と好意的に受け止められていたようで、「あのMCは何だ!」とか怒っている人がいるんじゃないかと心配していたのだが杞憂だったようだ。
昨日のライブでは、柱が邪魔でステージを直接見ることができず、ずっとディスプレーの方を見ていたので、会場の雰囲気をつかみ損ねたのかも知れない。私は、ライブで音楽を聴くときには体でリズムを取るのが基本となっているので(変拍子が入るような曲はなおさら)、昨日の観客が微動だにせず聞いている様子を見て、盛り上がっていないんじゃないかと思ったのだが、単に人口密度が高くて身動きがとれなかっただけかも知れない。

今日になって、ネットで色々調べてみたら、Wikipediaにまで、こんなことが書かれていた。

  MCを苦手としており、「今日はパッと終わって帰ります。皆ももう帰りたいんでしょ?」 「手元の新作CDを某中古CDショップに売れば儲かるなあ」など、本気なのか冗談なの か分からない事をしどろもどろに呟き、観客や他メンバーを唖然とさせるが、それでも必ずMCを行う努力をしているため、一つの見せ場となっている。

何もこんなことまでWikipediaに書くこともないんじゃないか、と思うのだが。

本人のブログも発見。

http://blog.shugotokumaru.com/

  東京公演は前人未到の最低のMCでしたね。。大反省中です。。恐かったんです。

とのこと。
いや、大丈夫ですよ。次にライブがあるときは必ず見に行きますので、がんばってください。次は音楽の方をもっと多めでお願いします。

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「トクマルシューゴ&ザ・マジックバンド」代官山 UNIT

opening actはキセル。実はキセルを聴くのは初めて。なんとなくAWAYな感じで始まったが、段々盛り上がってきて、なかなか良かったと思います。最後にやった曲が一番好きだな。それから、笑みを浮かべながらHEAVYな音を叩き出すゲストのドラマー(女性)がすばらしかった。

で、トクマル・シューゴなんですが、これがスゴかったのです、色んな意味で。
新作「EXIT」から一曲演奏し終わったところで、客の拍手の仕方が気に入らなかったのか、アウトロのところからやり直すと言い出し、「こんばんは、トクマル・シューゴです!(観客拍手)」というのを何回も繰り返す。このあたりで、なんかおかしいなあと思ったのだが、この後はMCがどんどん変な方向に進んでいく。
「今回は、3rdアルバムの曲を中心に。みんな「EXIT」を聴いて来ていると思うので。ファーストなんかくそくらえ!」などと言い出すわ、同じことも何回もループのように繰り返すわ、かなり挙動不審な感じに客が引き始めると、「自分のキャラがつかめてないんですよ」「ライブうまくなりたいなあ。どうしたらいいんですかね。教えてください。」
いや、客に向かって「教えてください」って言われても。
しゃっべているうちに、どんどんドツボにはまっていき、ため息までつき出す始末。
だが、いったん演奏が始まると、打って変わって華麗なポップ職人ぶりを発揮。ポップなメロディーに変拍子と起伏の激しい複雑な曲構成と変拍子の上にポップなメロディー。数曲をシームレスに演奏。夢のような雰囲気だが、幾分悪夢も混ざっているような感じ。
で、演奏が終わってMCコーナーに入ると、再び変な世界へ。
「あー、ミュージック・ステーションに出たいなあ。タモさん回してくれるかなあ」
「関係者の方々はMC止めろって言うかもしれないですけど、ぼくは止めない!」
何でそこで意地を張るんだ。
「今日のライブは最悪だなあ...。あ、ライブがじゃなくてMCがですよ」
「音楽6、MC4の割合でやってますから」
MCの比率はもっと小さくした方がいいと思うのですが。
「ぼくは今日を憤慨しています、自分自身に。」「今日は反省会だ」
彼なりに責任を感じているようです。
「ボタン」を一人で弾き語りした後、バンドが戻ってきて、最後の曲「パラシュート」を演奏。
この雰囲気じゃアンコールはないだろうな、と思っていたら、観客がアンコールの拍手を。優しいお客さんたちだなあ。
バンドがステージに戻ってくると、
「アンコールは大嫌いだ!何なんだ、この日本の風習は!」と言い放つトクマルくん。
「アンコールじゃないですからね。自らの意志で」と断った後、「あ、一曲忘れた!」と言うのをきっかけに、最後の曲がスタート。
といった感じで、少々短め(MCを除けばですが)のセットは終了したのでした。
そんなわけで、今度ライブがあるときは、音楽の方は本当にすばらしいので、是非観に行ってください。MCの方は、生温かい目で見てやってください。

EXIT Music EXIT

アーティスト:トクマルシューゴ
販売元:Pヴァイン・レコード
発売日:2007/10/19
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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2007年12月 8日 (土)

『POP2*0ナイト』<ロック×電子音楽、華麗なる40年の電子ロック実験史を聴く~ビートルズ「レボリューションNo.9」からトニー・マンスフィールドまで>田中雄二

http://d.hatena.ne.jp/snakefinger/20071202/p1

4時間近い長丁場だったので、印象に残ったところだけ。
ビートルズにも影響与えていたかもしれないBBCの電子音楽。演奏家ユニオンの力が強く、一定の割合以上は既成の音源が使用できなかったため、自分たちで番組用のジングル等の音楽を作成していた。いくつものテープループを重ねて曲を作る職人技に感動。
楽器を使わずフィルムの音声トラックに直接傷をつけて作った音楽。昔、伝説の(?)テクノ雑誌Techiiでこれを知って関心を持ったのを思い出した(確か記事を書いていたのは小西康陽だったような気がする)。70年代初期の作品だが、サウンド的にはほとんどテクノ。
スクリッティ・ポリティのキーボード奏者David Gamsonがスクリッティ・ポリッティ以前(82年?)に発表していた作品。グーリンのヴォーカルが入っていない以外は、「cupid & psyche 85」のサウンドとほとんど一緒。私は初期スクリッティ・ポリッティのひねくれたファンク・サウンドも好きなのですが。
最後は、トニー・マンスフィールド特集。本国で出された後に差し替えられたトニー・マンスフィールドがプロデュースしたバージョンのa~haの「Take on me」。田中氏は「ショボショボ」と言っていましたが、そんなに悪いとは思わなかったですよ。
明日の第2夜は「テクノ歌謡特集」で見に行きたかったのだが、トウマル・シューゴのライブに行くので行けません。

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