2007年ベスト 本<番外編>
ベストの方に入れるほどのものではないが、気軽な気分で楽しく読める本をご紹介。
こういう本が世間で取り上げられる機会があまりないのはもったいないと思う。
・「「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート」コリン・ジョイス
著者は「ニューズウィーク日本版」でコラムを連載している。
真面目な顔をしてとんでもない冗談を言うイギリス風のユーモア・センスが私の好みである。
とくに、「イギリス人をからかおう」の章は、爆笑である。
「どうして日本では、こんなに多くの人がマスクをしているんだい?」とぼくの友人のトレヴァーが尋ねてくる。「ああ、あれはお医者さんと看護婦さんたちだよ。日本では病院を出てからも家に着くまでマスクを着けてなければならないんだ」と答えるぼく。
「なんでプラットホームに賑やかな音楽がくり返し流されてるんだ?」とトレヴァー。「利用客を元気づけるためだよ。電車に飛び込みでもされたら、かなわないからね」と、誰かがぼくに代わって答えてくれる。
「社内アナウンスが、どうしてこんなに長いんだ?いったい何を言ってるの?」「乗客のためにニュースを読んでいるんだよ。込んでいて新聞を広げられないことが多いからね」
・「その言葉、異議あり!」マイク・モラスキー
著者は「戦後日本のジャズ文化 - 映画・文学・アングラ」で2006年度サントリー賞を受賞している。
いかめしいタイトルだが、内容のほうは、肩のこらない雑多なエッセイである。
私が好きなのは、家電品の取扱説明書をホラー映画として読む、という箇所と、「飲食店で聞いてむかむかすることば」の箇所。
「こんにちは!」
「いらっしゃいませ」はどうしたんだよ!
日本のスタバ(Starbuks)などでは、日本語らしい「いらっしゃいませ」の代わりに「こんにちは!」が挨拶マニュアルになっているようである。アメリカ人が言うのも変だが、これは「バタ臭く」聞こえて、気に障る。
一方、和製英語について、英語圏の人間にとって面白いと思えるものもいくつか挙げている。
髪の毛の状態を表す「バーコード」という言葉については、
欧米の友人たちに教えると、みんな最初は何のことか分からないが、説明すれば、すぐにそのイメージを思い描いて、たいていの人は大喜びする。また、「なぜ、我々英語圏人はそのような表現を思い浮かばなかったのだろうか」、と逆に聞いてくる人もいる。
・「似顔絵捜査官の事件簿」坂本啓一
絵の素養などなかった警察官の著者が、「捜査用似顔絵講習会」に参加させられたのをきっかけに、似顔絵捜査の第一人者となる。
似顔絵なんか使うよりモンタージュを使ったほうがいいじゃないか、と思われるだろうが、モンタージュだと、様々な顔のパーツを見せられるうちに「印象の崩壊」が起きてしまうのだそうである。一方、似顔絵の場合、印象がとくに強い部分から作画していくと、次から次へと意識が明確になる「記憶の後進」が起きるそうである。
今年の更新は、これでおしまい。
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「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート (生活人新書) 著者:コリン ジョイス |
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その言葉、異議あり!―笑える日米文化批評集 (中公新書ラクレ 260) 著者:マイク・モラスキー |
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似顔絵捜査官の事件簿 (中経の文庫 さ 6-1) 著者:坂本 啓一 |
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