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2009年1月11日 (日)

NHKスペシャル「女と男~最新科学が読み解く性~」

今第一回を放送しているところなのだが、そこはかとなくトンデモ臭が漂っているような気がする…。

http://www.nhk.or.jp/special/onair/woman_man.html

第1回 惹(ひ)かれあう二人 すれ違う二人 
2009年1月11日(日)午後9時00分~9時49分 総合

男女はなぜ惹かれあうのか。脳科学はいま、恋のメカニズムを解明しつつある。その中心はドーパミンという脳内物質。快楽を司るドーパミンの大量分泌が恋する二人の絆となっているのだ。ところが脳科学は同時に、皮肉な状況も浮かび上がらせている。高い代謝を要求するドーパミンの大量分泌は身体への負担が大きく、長く続かない。そのため、“恋愛の賞味期間”はせいぜい3年ほどだというのだ。
 そこで、男女関係はどうすれば長続きするのかという科学的な探求がさまざま進められている。アメリカでは30年に及ぶ家族の長期研究を通して、長続きしない男女関係では、男女差が大きな障害になっている事実が浮かび上がってきた。たとえば、女は、相手の顔の表情から感情を簡単に読み解くが、男は必死に脳を働かせてもハズす。女が悩みを相談するとき、話を聞いてもらいたいだけなのに、男は解決策を示そうとしてしまう。
こうした男女の違いは、長い狩猟採集時代の遺物ではあるが、無意識のなかに深く根ざしており、日常生活のなかで深刻な影響を与えやすいという。違いをちゃんと意識して、相手の気持ちを理解する努力が欠かせないのだ。
番組では、ワシントン州立大学の離婚防止のカウンセリングプログラムに密着し、「子育てを成し遂げる関係から、お互いの人生に影響を与え合う関係へ」と変わるなかの男女関係を描く。

第2回 何が違う? なぜ違う? 
2009年1月12日(月)午後10時00分~10時49分 総合

男女平等の国・アメリカで新たな“男女区別”がはじまっている。小学校や中学校の義務教育現場で、男女別授業を行う学校が増えているのだ。成長期には特に男女の差=性差が出る。そこで、それぞれの性に合った教育をしようという試みなのだ。また、医学の分野でも、病気の男女の違いを重視する動きが広まっている。
そうした動きの背景にあるのは、いま新たな男女差が次々と見つかっていることだ。特に、脳は性ホルモンなどの影響で性差が生まれていることが最近になってはっきりしてきた。
なぜ脳に男女差があるのか。そのヒントは、「同じことをしていても、脳の使いようが男女で異なっている」ということだ。たとえば、地図をたどっているとき、男は空間感覚を利用して地図を見るが、女は記憶や目印を手がかりに地図を見る。つまり、同じことをしていても両者が使っている脳の分野は異なっているのだ。脳が違うのは、「男女それぞれで得意なことが違う」ということなのだ。
では、いったいなぜ、人間は男女で得意なことをわざわざ違うようにしたのか。それは「ともに生き延びる」ためである。長い、長い狩猟採集時代、ヒトの祖先はいつも飢えとの戦いのなかにあった。そこで役割分担をしていろいろな食糧を確保する生存戦略を採ったのだ。
女と男の違いの最新研究を通して人間の歩んできた道筋をたどるとともに、医学や教育などではじまっている、性差に注目する新たな潮流を描く。

 
第3回 男が消える?人類も消える? 
2009年1月18日(日)午後9時00分~9時58分 総合

性染色体がXXなら女、XYなら男。1億7千万年前に獲得したこの性システムのおかげで私たちは命を脈々と受け継いできた。ところが、この基本そのものであるシステムは、大きく揺らいでいる。じつは男をつくるY染色体は滅びつつあるのだ。専門家は「数百万年以内には消滅する」という。なかには、来週になって消えても不思議ではないとする意見さえある。
じつは「遺伝子できちんとオス・メスを決め、両者がそろって初めて子孫をつくる」というのは、私たちほ乳類が独自に獲得した方法だ。ほかの生物はメスだけで子孫を残せる仕組みを持っている。そのほ乳類独自のシステムが長くほ乳類の繁栄を支えた一方、いよいよその寿命が尽きようとしているのだ。
さらに人間の場合、Y染色体を運ぶ精子の劣化も著しい。これは生物学的に一夫一婦制が長くなった影響だという。
こうした性システムの危機に私たちはどう対応すべきなのか。シリーズ最終回では、いわゆる試験管ベイビーが生まれて30年、生殖技術をめぐる最前線もたどりながら、現在、性の揺らぎが引き起こしているさまざまな影響を追う。

録画して後でチェックしておこう。

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科学」カテゴリの記事

コメント

NHKバッサリ斬っちゃってください!
期待してます!

投稿: | 2009年1月12日 (月) 03時19分

見たけど、基本的に問題はなかったと思います。
ただ一部、まだ仮説段階のが混じってたと思います。恋愛の賞味期限が3年とかはフィシャー氏が言ってるだけだろうし、狩時代の暮らしの話は実証が困難なはず。
contraversialな部分はあったが、教養番組として放送できる水準だったかと。
少なくともトンデモってことはないです。

投稿: blupy | 2009年1月12日 (月) 10時31分

あ、そうでしたか。
私は、まだ見てないんですが、大丈夫でしたかね。
後で時間が空いたらチェックしてみます。
何しろ、他に「宿題」が色々あるもんで(汗)。

投稿: a-gemini | 2009年1月12日 (月) 15時50分

少数の心理学実験結果による男女差の論証、検証のしようのない百万年前の狩猟・採集生活による男女差進化説、男女が異なる脳回路を働かせながら同等の解決能力を達成、など、トンデモとは言わずとも、科学的検証とは言い難い論説のオンパレードです。この分野はこの程度の論証で学術的に確立するのですかね。日本の研究者がまったく出てこないけど、日本の脳科学って問題外なの?それともNHKスペシャルにありがちな舶来崇拝でしょうか。教養エンタテインメントとしては割とよくできていると思いますが。

投稿: nq | 2009年1月13日 (火) 00時41分

<少数の心理学実験結果による男女差の論証、
fMRIの実験で10人、7人とかは割と普通だと思います。フィッシャー氏の論文は見てないですが検定かけて問題ないならいいんでしょう。
<検証のしようのない百万年前の狩猟・採集生活による男女差進化説、
確かに。現段階で男女差を説明する定説はないはずです。通説のごとくまかり通ってるがただの仮説の一つでしょう。そもそも男女差を生得的なものに還元できるかcontraversialですし。
>男女が異なる脳回路を働かせながら同等の解決能力を達成、
なんで科学的検証とは言い難いのでしょう?
なんか手順に問題ありますかね。
>日本の研究者がまったく出てこないけど
脳の研究っていってもたくさんあります。男女差を研究している人がいないだけでしょう。日本にもちゃんとした脳研究者はいます。つっても神経科学や認知神経科学は間違いなくアメリカが本場でしょうが。

科学雑誌でないので教養番組としはまあいいかと。でも狩猟時代の話を丸呑みしてCGまで作ってるのは痛い。

投稿: blupy | 2009年1月13日 (火) 02時22分

見方が分かれましたか。
私はまだ見てないんで、議論を続けてもらって構いませんが、冷静にお願いします。

投稿: a-gemini | 2009年1月13日 (火) 06時49分

今日は。

blupyさんが仰るように、少数の心理学実験の「少数」が被験者数の事を指すのであれば、n = 10 前後のものは、心理学の実験等では特に珍しく無いので、そこは構わないかと思います。

ただ、追試が充分で無い、という意味での「少数」、つまり研究の数が少ないという事かも知れませんので、そういう事でしたら、一般論として適切であると思います。

この番組に関しては、現役の神経科学者の方がエントリーを上げていらっしゃいます。参考になると思います⇒http://www.mumumu.org/~viking/blog-wp/?p=2385

投稿: TAKESAN | 2009年1月13日 (火) 14時44分

番組の方はいまだに見てないんですけど、番組HPの説明を読むと、どうもアヤシイ感じがするんですよ。
「男女の脳に機能差がある」という主張自体には、私はそれほどマズイという気はしないんですが、教育の話と結びつけられるとねえ。
男女間の平均値の差より個人差の方が大きいに決まってるんだから、男女に分けて教え方を変えることに意味があるんだろうか、と。
結論ありきで番組を作ってるんじゃないか、作り手の思惑が先行しちゃってるんじゃないか、という疑いを持ってしまうんですよ。
「環境ホルモン」とか「奇跡の詩人」っていう言葉が頭に浮かんでしまう。

投稿: a-gemini | 2009年1月13日 (火) 21時02分

それから、第三回の内容って、ブライアン・サイクスの「アダムの呪い」じゃないかと思うんだけど。
そうだとしたら、ちょっとヤバイ。

投稿: a-gemini | 2009年1月13日 (火) 21時17分

私が少数と書いたのは、被験者数のことです。n=7-10が業界標準ですか。人間の個性は多様だと思うその筋の素人(ただし実験物理畑の素養はあるつもり)としてはびっくりです。個人間の差異に比べて男女差がどれだけ明確なのか見せてくれないと、到底、納得はできません。また、被験者サンプルが適切であることをどう担保するのかも疑問。脳の活動部位だけでなく、他の心理テスト全般、データの集め方、解釈の仕方などいろいろ疑問を持ちました。占い師に断言されるのと似た感じ。
 論証がいい加減なのは、科学誌ではなく教養番組だから、と言われたら、ご尤も、と引き下がらざるを得ませんけれど、見せられたものだけからあのように断言されると、この分野、「科学」として健全なのだろうかと心配になります。
 と書いたところで、viking氏 blog が言及されているので拝見したところ、ずっと得心のいくコメント。その分野の通説ではなく、珍説だったようですね。

投稿: nq | 2009年1月13日 (火) 23時57分

もしかすると、言葉足らずで誤解されたかも知れないので、補足します。

まず、私は件のテレビを観ておりませんで、そこで紹介された説に関して何か言った訳では無く、サンプルが小サイズである事は、対象がヒトである心理学実験では珍しく無いので、先行研究や追試などとも併せて考えれば、ある研究が小標本である事をもってそれが信頼出来ないとは限らない、という一般論を書いたつもりでした。

もちろん、ある程度の大きさの標本を確保するに越した事は無い訳ですので、それはnqさんがご指摘の通りかと思います。
当然、n = 10 程度の研究が結構あるというのは(私は「標準」という意味合いの事は書いておらず、「特に珍しく無いので」という書き方をしました)、それくらい集めれば充分だという話では無くて、実験の状況から、大きな標本を確保するのが難しいという時間的・経済的事情からもそうせざるを得ない、というのを言いたかったのでした。ですから、他の研究者の追試での検証も重要であると思います。

ちょっと言葉足らずの横レスだったようで、申し訳ありませんでした。

投稿: TAKESAN | 2009年1月14日 (水) 02時16分

こと人間に関する研究に関しては、観察や実験が困難なこと、たとえ研究結果自体は中立なものであっても社会に紹介されると差別の正当化のために様々な曲解や拡大解釈が出てくる危険性が大きいことを考えると、もっと慎重に扱ってしかるべきだと思うんですけどね。

最近の科学関係のNスペって、どうも受けを狙った作りが過ぎるような気がします。

投稿: moorhen | 2009年1月14日 (水) 02時36分

私の「問題がなかった」という発言が、心理学の実証水準=あのNHKの番組程度という誤解をあたえていたら撤回いたします。
 私がいいたかったのは論文単位ではああゆーのもあるんじゃないかと思ったということです。
まず仮説を検証する論文がたくさんだされ、モデルが形成され、やがて理論になり、結論が決まるというプロセスが当然心理学にもあります。論文が数本出されていきなり定説がきまるというのはまずないはずです。
 NHKでは、たしかフィッシャー氏の説として取り上げていた印象でした。定説であるかの印象をあたえていたら問題ですね。vikingさんよれば男女差についてはまだ、仮説レベルということなのでしょう。
 あと仮説レベル、1論文においても、個人差<男女差を検定とかによって証明しなきゃいけないのは心理学でも同じです。彼女の説も論文として出せている以上、NHKで触れなくてもそこはクリアしてると勝手に推測しました。だって有意差が出てなければ論文になりませんから。
 

 

投稿: blupy | 2009年1月14日 (水) 03時26分

第3回 男が消える?人類も消える?を見てみたんですがなんというか優生学一歩手前を匂わす発言が多かったですね。精子が劣化したのは人間の繁殖形態のせいとか(進化生物学的に考えれば中立変異が積み重なっただけでしょうし)、安直な遺伝子決定論と思しきものもありましたね(頑固なのは父親の遺伝子のせいとか)。さらに笑っちゃうのは数百万年後のことに現在の段階で一喜一憂している家族があったんですがべつにそれについては今心配すべきことじゃないんじゃないでしょうか(利己的な遺伝子を読んで生きる希望をなくしたという人とかぶった)。
とにかくいろいろとミスリードを誘う内容でした。ニュートンムックの性染色体特集でも読んだ方がよほどましじゃないでしょうか。

投稿: | 2009年1月18日 (日) 23時39分

とりあえず、第三回だけ録画でザッと目を通しましたけど、何が言いたいのかよく分からない番組でしたね。
「何百万年後にY染色体が消滅するかも」という話と、精子バンクで子供をつくる話と何の関係があるのか。
性に絡んだ雑多な話題を節操なく寄せ集めてテキトーに作った番組、という印象です。

投稿: a-gemini | 2009年1月19日 (月) 21時01分

心と行動の進化に関しては、更新世の環境や他の霊長類の行動から祖先の行動を予測し、それが現在まで残っていればどのような心理的バイアスなどとして見られるかを予測し、それを実験で検証するという手順が取れますね。もちろんその予測が当たっていても推測された進化の経路も正しいとは限りませんが。この辺は物理や化学畑の人からはずさんに見えるのは確かですね。

人の行動が多様かそうで無いかは着目点次第ですね。例えばどの地域、どの文化でも血縁主義は見られるというように画一的な部分がある一方で、地域や文化によって血縁主義批判されるか推奨されるか違うと言う点では多様性があります。進化の過程から説明できるのは前者でしょう。

投稿: いとみみず | 2009年1月19日 (月) 21時59分

>この辺は物理や化学畑の人からはずさんに見えるのは確かですね。

まあ、制限不可能な歴史を対象にしているんで、物理や化学と同じ科学の基準は適用できない部分はありますよね。

投稿: a-gemini | 2009年1月20日 (火) 21時26分

a-geminiさん、こんにちは。はじめまして。
yu-kuboと申します。以前に黒影さんのところを経由して読ませていただいていました。たまたま検索でこの記事にヒットしたのですが、第1回放送から怪しかったのですね。

私は第3回しか(しかも再放送を録画で)見れなかったのですが、いろいろと問題があるのでそれをまとめてみました。私が思うに、最大の問題点は「進化」とは何か、がまるでわかっていないことだと思うんですが。


投稿: yu-kubo | 2009年1月28日 (水) 22時27分

すみません。
この数日パソコンが不調でコメントが遅くなりました。

>たまたま検索でこの記事にヒットしたのですが、第1回放送から怪しかったのですね。

1回目ではチラッと見ただけで全体は見ていないのですが、番組のサイトの説明を読んで、これはクサイな、と思いました。

>私は第3回しか(しかも再放送を録画で)見れなかったのですが、いろいろと問題があるのでそれをまとめてみました。

kikulog経由で拝見してました。
丁寧に問題点を指摘してくださったので、私が付け加えることはありません。
こういう風にちゃんと批判があるとホッとします。

>私が思うに、最大の問題点は「進化」とは何か、がまるでわかっていないことだと思うんですが。

ええ、結局この番組は「性にまつわる生物学面白話」を寄せ集めてテキトーにストーリーを作り上げただけのものだと思います。
この番組の製作統括の高間大介という人は、これまでにもNHKスペシャルで科学ものの番組をいくつか作っているのですが、過去にも批判されています。

http://www.studio-corvo.com/blog/karasu/archives/2006/07/nhkvs.html

前後のエントリも読んでいただくと、面白いと思います。

投稿: a-gemini | 2009年2月 2日 (月) 22時16分

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