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2009年11月 4日 (水)

「友達の友達は皆友達だ」あるいは「因果は巡る」

世間では、アニリール・セルカン経歴詐称疑惑事件が注目を集めつつあるが、今日はこれにからむ話をしよう。

「ブルータス」 2009年1月号の付録で「2009年のキーパーソン30人を知る本ガイド」というのがあったのだが、これにアニリール・セルカンと福岡伸一が仲良く並んでいるのに気がついた。

(クリックで拡大)

Brutus

他に、「奇跡のリンゴ」の木村秋則などがいたりして、いかにも「ブルータス」らしいセンスの悪さである。
当時はセルカンには全然関心がなかったので、その部分の切り抜きは残っていないのが残念である。

さて、単にこれだけの話なら大して面白くもないのだが、まだ続きがあるのだ。
「ブルータス」の元編集者で小黒一三という男がいる。
この小黒という人は「アフリカ取材で利用の経費を請求した」という伝説の持ち主として知られている。
小黒は現在「ソトコト」の編集長であると同時にロハスクラブ理事長も務めているのだが、このロハスクラブの第1回トークセッションというものに坂本龍一アニリール・セルカン福岡伸一が出席しているのである。

ロハスクラブ記者発表会&第1回トークセッション

アニリール・セルカンの『宇宙エレベーター』に推薦文を書いてしまった坂本龍一であるが、二人の関係はおそらくこの辺りから始まったのではないだろうか。

ここで話を「ブルータス」と小黒に戻す。
小黒は編集に携わっていた80年代、「ブルータス」に「百匹目の猿現象」で有名なライアル・ワトソンの記事が連載されていた。
「百匹目の猿現象」はワトソンによって事実であるかのように喧伝されていたが、これは後に事実ではないことが確認された。
まあ、要する捏造だったわけである。
小黒が「ブルータス」時代にワトソンと直接関わりがあったかどうかは分からないが、おそらくあったのではないだろうか。
そう推測するのは理由がある。
以下を読んでもらえば、それが分かるだろう。
上に書いたように、小黒は「ソトコト」の編集長なのだが、そのソトコトから、坂本龍一が「エレファンティズム」というDVD BOOKを出している。
これは坂本龍一がアフリカに行って、に「Merry Christmas Mr.Lawrence」をピアノで弾いて聞かせたりするという珍妙な代物なのであるが、これにライアル・ワトソンコメントを寄せているのである。

大きな群れで行動する象はひたすら優しい動物です。とても仲がいいのです。
象にしてみれば、なぜツインタワーであんなことが起きたのか、何の意味も見いだせないでしょう。
お互いを殺すという概念は象にはまったくないのです。
私は思います。象のように常に優しくあること。
そしてまた、私は確信します。この時代こそ坂本の言う「エレファンティズム」が必要であると。

ライアル・ワトソン(生命科学者)

坂本自身、ワトソンのファンであることを公言している。

坂本龍一書店

このページの『生命潮流』へのコメントに注目。

他にも、『エレファントム(邦訳はまだ)』も大切な一冊。鯨については世界的な研究者でもあるワトソン博士、象という動物の不思議さと人類との関わりについて、ついに一冊書き上げた。邦訳が待たれます。

『エレファントム』という書名を覚えておいてもらいたい。

今度は小黒と福岡伸一の関係について見てみよう。
実は、この二人には思った以上に密接な関係があるのだ。

「動的平衡」という生き方 小黒一三さん&福岡伸一さん

10年ほど前、アンサング・ヒーローであった福岡さんに着目した、ちょっと変わった編集者が小黒一三さんであった。
福岡さんが翻訳した、ある科学者の伝記(当然ながらアンサング・ヒーロー)を読んで、福岡さんに「会いたい」と連絡してきたのだという。
(略)
福岡さんに声を掛けた頃、小黒さんは、月刊『ソトコト』を発刊したばかりであったという。

小黒は、世間に注目される前の福岡伸一に「ソトコト」の連載を持たせ、それは現在も続いている。
福岡は「ソトコト」に連載を持っている以外にも、「ソトコト」発行元の木楽舎から翻訳書を出している。
それが、ワトソン『エレファントム』なのである。

こうして、「アニリール・セルカン」「ブルータス」「小黒一三」「ソトコト」「アフリカ」「ライアル・ワトソン」「象」「坂本龍一」「福岡伸一」を結節点とした、因果の網が形作られた。
ものごとは相互に関係し合いながら世の中は回っていくのである。
まさに「動的平衡」と言うべきではないだろうか。

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